「ではみなさんは、そういうふうに古代の演劇だと云われたり、ルネッサンスの誤解のあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」

青少年の為のオペラ入門

The Young Person's Guide to the OPERA

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最終更新 2003-10-13th


 




それはオペラと呼ばれるものです。
オペラに近づく為に、ラヴェルの作曲した「子供と魔法」というオペラを詳しく見ていきましょう。

ところで、あなたは誰って? 私はオペラが最近好きになったおじさんです。
え?名前ですか?
そうですねー、
タントリスとでも名乗っておきましょうか。
変な名前って?
そう、変な名前ですね。でも、オペラが好きになってくると
この名前の意味もいつか分かりますよ。
では、本題に入りましょう。
あ、でもね、実はおじさんも最近オペラが好きになったばかりだから
詳しいことはよく分からないんだ。
だから、おじさんの知っている範囲でのオペラについての話です。
そして、
もし君たちがオペラというものに興味はあるんだけれど、
まだ一つも聴いたことも、見たこともないというのであれば、
是非最初に知って欲しい作品が 「子供と魔法」というオペラなので、
この作品のことを詳しく話すことで
オペラというものに少しでも近づいてもらえたらと思って
こんな内容のサイトを作ることにしました。
では、今度こそホントに本題。

オペラとは、演劇における役者が、
セリフを話す代わりに、セリフをずっと歌い続けるものと思えばいいでしょう。
ですから、役者ではなく、ステージにいるのは、
歌手なのです。
オペラ歌手と言う、特別な歌手なのです。
浜崎あゆみとか氷川きよしとかとはちょっと違います。
どこが違うか。
オペラ歌手は、マイクなしで、何百人もの観客がいる劇場で歌います。
そして、オペラ歌手と言われる人たちは、歌手でもあり、同時にまた役者でもあるのです。
「歌手として歌番組にも出るし、役者としてドラマにも出る」キムタクみたいな人?
違います。
ひとつの作品の中で、歌手と役者を同時にこなすのです。
そう、それがオペラなんです。
ミュージカルと同じようなもんですかって?
違います。
ビートがあんなにはっきりと刻まれることがないから。
それにミュージカルの時は歌手は小さなマイクを付けていますね。
オペラ歌手は自分の肉声で観客を魅了します。

そもそもオペラはクラシック音楽の一つのジャンルなのです。
ですから、ミュージカルとは音楽の仕組みからして違うのです。
客席とステージとの間に、フル編成のオーケストラがいるのは同じですが、
クラシックのオーケストラには
エレキベースとか
エレキギターとか
ドラムは入っていません。
オーケストラの音も
マイクを通さず、生演奏で伴奏します。

では、そろそろ作品を見てみることにしましょうか。



まず下の表で作品の全体を見渡してください。
タイトルから分かる通り、主役は子供です。
一人の男の子。
主人公の子供はご覧の通り、最初から最後まで出ずっぱりです。
すると、勘のいい人はもうお分かりと思いますが、
この作品は、時間も場所もずっと継続します。飛びません。
ひとつの時間がひとつの場所でゆっくりと流れていきます。
でも、その時間はおとぎの時間ですけどね。
各場面は私が適当に名前を付けただけで、原作にこうした書き込みはありません。
それぞれの番号をクリックすると
各場面の説明のページに変わります。
作品全体の長さは約45分。
だから、各場面もそんなに長くはありません。
CDのインデックスなど活用して、聴きながら読んでみてください。
CDのインデックス番号は盤毎に違うので、
どの場面が何番にあたるのかは自分で探してください。
では作品に入っていきましょう。
   子供と魔法(ラヴェル作曲・コレット台本) L'ENFANT ET LES SORTILEGES
場面
登場人物
01.ふてくされた子供 子供
02.母の登場と怒り 子供・母
03.母の退場と子供の憂さ晴らし 子供
04.ソファーと安楽椅子の逆襲 子供・ソファー・安楽椅子
05.柱時計の嘆き 子供・柱時計
06.ティーポットとティーカップの対話 子供・ティーポット・ティーカップ
07.子供の孤独 子供
08.火のお説教 子供・火
09.火と灰の踊り 子供・火・灰
10.壁紙の羊飼いたちの嘆き 子供・羊飼いたち
11.絵本のお姫様の憂い 子供・お姫様
12.子供の嘆き 子供
13.算数の教科書の数字たちの爆発 子供・こわそうな老人・数字たち
14.ネコのデュエット 子供・ネコ
15.庭園の生き物たちの合唱 子供・様々な生き物たち
16.樹木たちの嘆き 子供・樹木たち
17.トンボの嘆き 子供・トンボ・雨蛙
18.コウモリの嘆き 子供・コウモリ
19.雨蛙の踊り 子供・雨蛙
20.リスと雨蛙と子供との対話 子供・雨蛙・リス
21.生き物たちと樹木たちの攻撃 子供・様々な生き物たち・樹木たち
22.生き物たちと樹木たちの反省 子供・様々な生き物たち・樹木たち
23.母との再会 子供・母