徐々に下降してくるチェレスタをバックに、子供が呆然(ぼうぜん)として歌います。自分で壊したカップを勝手に追憶しながら、「僕のきれいなカップが・・・」と。

07.子供の孤独

L'ENFANT ET LES SORTILEGES


 




チェレスタが下降した果てに不思議な和音がなり始めます。
ピアノのような音ですが少し違いますね。
神秘的な音にするために、アップライトピアノに何か細工をしているようです。
(ソファの場面でもこんな音が聞こえていましたね。)
ここは日が暮れていく様子を表しています。

男の子は、
これまでの出来事から、
恐怖と孤独を感じて身震いします。
そして、暖炉に近づき、
暖まろうとします。

今まで、予想もしないような攻撃を次から次へと受け、
しかも、みな魔法の世界の不思議な攻撃でしたから
男の子も疲れ切っているのでしょう。
ドタバタしていて、その疲れも忘れていたのに、
大好きなティーカップがどこかへ行ってしまったので
疲れと、そして、置いてきぼりにされたような何とも言えない感覚を
身にしみて感じ取ったのでしょう。
夕暮れの様子がこの寂しさに拍車を掛けます。
こんな時、もし近くに暖炉があれば、
思わず火にあたって
文字通り心を温めたくなりますよね。
男の子は、そんな気持ちから暖炉に
一種の救いを求めに行くのです。

ところが、この子供はさっき暖炉に何をしましたっけ?



さあ、子供は孤独をいやしてもらえるのでしょうか?

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