
「アーッ」と木が唸り出しました。
「エッ?」
子供はハッとします。
木が唸ります。
「傷が、この傷が・・・・・」
「どの傷?」
「お前が今日ナイフで付けた傷だよ。」
「樹液はまだ出血してる。」
すると周りにいる
他の木々も訴え始めます。
「傷が、傷が、
まだ生々しくて、樹液が出血している。
お前は本当に悪い子だ。」
ここの音楽どうです?
嵐ではないけれど、
木々が激しく風に揺らめく感じがしませんか?
子供は木々に同情しますが
どうすることも出来ません。

すると、不意にピアノの音が。
そして、音楽は少し優しくなります。
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