「ママ」という叫び声はまず庭の生き物たちに聞こえました。それまで楽しそうにじゃれ合っていたのに、この一言で子供に注意を向けます。

21.生き物たちと樹木たちの攻撃

L'ENFANT ET LES SORTILEGES


 




庭にいる生き物たち全員が子供に注目します。
「あ、あの子だ!」
「ナイフを持ってたあの子だ。」
「棒を持ってたあの子だ。」
「かごを持ってたあの子だ。」
「網を持ってたあの子だ。」
「誰も愛さず、誰にも愛されない、あの悪ガキだ!」
音楽は一気に沸騰します。
「彼を罰しよう」
「この爪で」
「この歯で」
「力を合わせてやっつけよう!」
庭の生き物たちはみんなで寄ってたかって
この子を攻撃し始めます。

ところが、初めは子供だけを攻撃していたのですが、
あまりにも興奮してきてしまって
生き物同士でもやっつけ合うようになってしまいます。
きっと攻撃の順番とかでもめたんでしょうね。
子供は隅(すみ)に追いやられ
生き物たち同士の取っ組み合いになってしまいます。
すると、傷ついたリスが子供の前に飛ばされてきます。
子供はとっさに首のスカーフを外し
リスの傷に巻いてあげます。
そして、疲れてばったりと倒れ伏してしまいます。

ここで生き物たちもハッと我に返ります。
音楽も急速に静まります。



傷の手当てをした子供は気絶してしまいました。
生き物たちの勝利?

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