
庭にいる生き物たち全員が子供に注目します。
「あ、あの子だ!」
「ナイフを持ってたあの子だ。」
「棒を持ってたあの子だ。」
「かごを持ってたあの子だ。」
「網を持ってたあの子だ。」
「誰も愛さず、誰にも愛されない、あの悪ガキだ!」
音楽は一気に沸騰します。
「彼を罰しよう」
「この爪で」
「この歯で」
「力を合わせてやっつけよう!」
庭の生き物たちはみんなで寄ってたかって
この子を攻撃し始めます。
ところが、初めは子供だけを攻撃していたのですが、
あまりにも興奮してきてしまって
生き物同士でもやっつけ合うようになってしまいます。
きっと攻撃の順番とかでもめたんでしょうね。
子供は隅(すみ)に追いやられ
生き物たち同士の取っ組み合いになってしまいます。
すると、傷ついたリスが子供の前に飛ばされてきます。
子供はとっさに首のスカーフを外し
リスの傷に巻いてあげます。
そして、疲れてばったりと倒れ伏してしまいます。
ここで生き物たちもハッと我に返ります。
音楽も急速に静まります。

傷の手当てをした子供は気絶してしまいました。
生き物たちの勝利?
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