寂しくなって、暖炉にあたろうとする子供。炎は見ているだけで癒されることがありますね。でも、この子はさっき暖炉に思い切りいたずらをしていました。

08.火のお説教

L'ENFANT ET LES SORTILEGES


 




日も陰り、ピアノもどきの楽器の不思議な連打が一段落すると
ピアノがアルペジオで細かな動きを聴かせます。
弦が神秘的な和音を鳴らします。
すると突然、甲高い女声が歌い出します。
「アリエー」と聞こえます。
日本語では「お下がりー」です。
そう、暖炉の中の炎が、
この子供を寄せ付けまいと歌い出したのです。

この神秘的な響きが終わると
突然リズミカルになりますね。
炎ですから軽やかな音楽です。
使われている楽器も高音の楽器ばかりです。
炎さんは子供にお説教します。
「良い子は暖めてあげるけど、悪い子は焼き殺してやる。」
まさに炎の女だけに言うことが怖いです。
コロラトゥーラと言われる転がるような歌い方が炎の感じをよく表しています。
「踊る炎に気を付けるが良い!」
「真っ赤な舌の上で、お前は雪のかけらみたいに溶けてしまうよ!」
音楽は一旦盛り上がり、すっと静まります。
歌手の聴かせどころです。
歌詞なしで(母音だけで)コロラトゥーラの技巧が続きます。
やがて、歌だけが残ると
「ガーレ(気を付けろ)!」と
また言葉を付けて歌い出します。
「良い子は暖める!」
「ガーレ!」
「悪い子は焼き殺す!」
「ガーレ!ガーレ!」と
ふた声歌い、長いトリルを聴かせて
ハイCで炎さんの歌が終わります。
ハイCはハイツェーと読むようです。(自信なし)
ハイは英語だと思うから、やっぱシーで良いのかな?
五線の上に加線を2本引いたドの音のことです。
ソプラノ歌手にとっては、この音が綺麗に出せるかどうかがポイントのようです。



そして・・・・・

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