またしてもひとりぽっちになった男の子。今度ばかりは相当応えたようで、消えてしまったお姫様への思いを歌います。

12.子供の嘆き

L'ENFANT ET LES SORTILEGES


 




「薔薇の心、百合の香りのあなた
あなたは月の光のようにはかなく消えてしまった
ただ1本の髪を私の肩に
夢の香りを私の心に残して」
彼は一所懸命、絵本の最後のページを探しますが
本はビリビリになっているのでみつかりません。

初めて歌らしい歌が登場しましたね。
これまではほとんど
節を付けて話しているという雰囲気でしたね。
でもここは独立した歌のようです。
オペラの一般的な形として
感情が高まってきて頂点に達すると
しっかりとした歌の形で思いを述べるということがあります。
アリアと呼ばれます。
例えば、オペラ「蝶々夫人」の中の
アリア「ある晴れた日に」と言った言い方をします。
題名が付いているわけではないので
その部分の歌詞の、
最初の部分を題名代わりに使います。

でも、ここの歌はそれほど長くないので
アリアと言われることはないようです。

お姫様のお話の最後のページを探し回っていたのに
お目当てのページは見つからず
目に入ったのは
何と



さあ、いよいよ彼にとって最大のピンチかも

←前へ   トップへ   次へ→